福島県の海の玄関口である重要港湾小名浜港は、東京と仙台のほぼ中間に位置しています。

 小名浜港は、昭和31年に国際貿易港として開港し、昭和39年の新産業都市「常磐・郡山地区」指定などを弾みに、国際貿易港として着実な発展を遂げてきました。

 平成23311日に発生した東日本大震災により、港湾施設は甚大な被害を受けましたが、平成263月までに物流機能を担う主要な岸壁の災害復旧工事が全て完了し、取扱貨物量については震災前を上回る水準にまで回復しています。

 

 また、平成235月には「国際バルク戦略港湾(石炭部門)」に選定、平成2512月には全国初となる「特定貨物輸入拠点港湾」に指定されており、東日本地域における石炭輸送拠点としての港湾機能強化を図るため「東港地区国際物流ターミナル(人工島)」の整備がほぼ完了し、令和2年10月に供用が開始されました。

 今後は、港湾の脱炭素化の推進や福島国際研究教育機構(F-REI)との連携、福島イノベーション・コースト構想や福島新エネ社会構想の実現に向けて、その役割はより一層重要性が増しています。

 

 

  また、「みなとオアシス」として登録を受けた、1、2、3号ふ頭の「アクアマリンパーク」は、県内屈指の観光スポットとなっています。震災後の「小名浜マリンブリッジ」の夜間ライトアップや大型商業施設の完成、「釣り文化振興モデル港」の指定、観光遊覧船の就航など、賑わい創出に向け、年々新たな機能と魅力を形成しており、更なる活性化と発展を目指しています。

 さらに、観光・物流の拠点である小名浜港背後地と常磐自動車道を結ぶ「小名浜道路(自動車専用道路)」の整備が進められており、広域物流ネットワークの強化も期待されています。

 このように、小名浜港は、東日本地域のエネルギー供給を支える国際的な物流拠点はもちろん、観光拠点としても、いわき市や周辺地域に様々な好影響をもたらすことが期待されています。

◆1・2号ふ頭

観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」、環境水族館「アクアマリンふくしま」、遊覧船「いわきデイクルーズ」、「小名浜さんかく倉庫」などで形成されている親水空間「アクアマリンパーク」があります。こちらでは、様々なイベントが催されており、県内屈指の観光拠点となっています。

◆3号ふ頭

昭和43年に完成した計7バースを有するふ頭です。鉱産品を中心に取扱い、荷役機械2基が稼働しています。

 東港地区国際物流ターミナル(人工島)とを結ぶ橋梁「小名浜マリンブリッジ」が平成29年3月に完成しました。

◆4号ふ頭

 昭和45年に完成した計6バースを有するふ頭です。化学工業薬品を中心に取り扱っており、ふ頭先端背後には、危険物収集計画に基づき、化学薬品のタンク群が設置されています。

 

◆5・6号ふ頭

多目的国際ターミナルとして平成16年に全面供用されました。 1号岸壁(写真右)は、鉱産品を中心に取り扱う一方、福島県で初の耐震強化岸壁として整備され、大規模地震時等の災害時における防災拠点としても活躍します。第2号岸壁は、主に発電用燃料となる石炭を取り扱っています。

◆7号ふ頭

岸壁3バースを有するふ頭西側は、昭和55年に供用開始されました。東側は、荷役機械のアンローダー3機を備えた、主に鉱産品を取り扱うふ頭として昭和57年に供用開始されました。

◆藤原ふ頭

昭和504月、材木を専門に取り扱うふ頭として供用開始されました。平成6年に、第2号岸壁を大型船接岸のため水深12mへ改良しました。ふ頭の背後地には、物流ゾーンとして平成16年に「藤原コンテナ・フレート・ステーション」、平成17年に「くん蒸上屋」が整備されました。

◆大剣ふ頭

昭和62年に全7バースが供用開始されました。

平成10年から外貿コンテナの取り扱いが始まり、福島県のコンテナ基地として活躍しています。